映画なんか大っきらい

週1本を目標に新作映画を観てレビューしていきます。 ★が10個で満点。満点は1年に1つ出るか出ないか。 出る日を楽しみに覗いてくれると喜びます。 60年代ヨーロッパ映画,70年代アメリカ映画,ホラー/スプラッター映画などを好みます。映画にまつわるゴシップNEWSや旧作映画も随時更新

2013/10

「魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語」★8

なるべく核心には触れないよう注意しておりますが、鑑賞前の方はご遠慮ください。


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【ストーリー】
まどかへの想いを果たせぬままに取り残された魔法少女・暁美ほむらは、彼女の残した世界でひとり戦い続ける。懐かしいあの笑顔と再びめぐり合うことを夢見て-
【鑑賞前】
今月一番期待しているのが魔法少女まどか☆マギカの完全新作。本当に今月観られるんだね。まどかに会えるんだね。新しい魔法少女「百江なぎさ」も気になる気になる。正直に言うとね、完成度がどうだとか全くもってどうでもいい。まどかに会えるだけでいい。いやマミ先輩も…。あーあ、僕もはやく概念になりてーなー。
【感想】
さて、今回も池袋サンシャインのレイトショーで鑑賞してきました。
客のいりは、スゴい!
雨降る火曜の夜だってのに150名いってるかな。男女比5:5。
客層は触れませんが想像通り。

劇中ずっとトイレ我慢してて、映画おわってすぐにトイレに駆け込むとね、両脇にメガネ男子がきて僕を挟んだ。メガネとメガネに挟まれたんだけど、僕ももともとメガネだから特になにか起こったわけじゃないんだけど、メガネ3本並んだの。両脇のメガネはおともだち同士なんだけども。
少し間を置いてから右側の子がひとりごとのように天を仰いで「やっと逢えたね」ってつぶやいて、ちょっとビクッてなって。
と思ったら左側の子がこれまた天を仰いで「…ああ。やっとだ」ってつぶやいて。
つられて僕も天を仰いで小便しました。

なんだろこれ。

パンフレットも凝った作りでして、こういうの作るお仕事してる立場から言わせてもらうと売値1000円でこれほどの加工施すとほとんど利益出ません。利益度外視の【初回版】パンフは今のうちにGETしておこう。いい仕事してるパンフなのでこれは是非購入しておきたいところ。

観賞後にお読みください!と注意書きが書かれたシールで封されていましたが構わず封切って鑑賞前に熟読。それほど重要な部分は書いていないので個人的には鑑賞前に目を通した方がいい内容だと感じますね。ある程度の知識をいれておいた方が細部に目が届きますので僕は読んでおいてむしろよかった。


結論から言うとね。
最高におもしろい。

もともと「まどかマギカ」を好きになったのは、内容よりもテキスタイルを切り貼りした魅せるデザインが気に入ったからだったんだけど、前半部分ではこのテキスタイルを魅せる魅せる。額縁にいれて飾っておきたいカットばかりがこれでもかと続き、上映開始10分しないうちにチケット代還元できた。ダリも嫉妬でヒゲ禿げるレベル。

それに主要キャラ5人の魔法少女全員をしっかり魅力的に目立たせていてね、これまで僕は「鹿目まどか」「巴マミ」が好きだったんですが「暁美ほむら」「美樹さやか」「佐倉杏子」それぞれの魅力に今回は気付かされて、ついに順位をつけられない状態になってます。

戦闘シーンもかっこ良さがパワーアップしておりまして、すこしネタバレしますけど「巴マミ」と「暁美ほむら」がガチ対決するんです、今回。
この対決は武器もいいわテンポもいいわアングルもいいわでデュフフフフでした。


めっちゃ言いたいけれど言えない核心の部分、映画のなかでいっちばん盛り上がるところなんてね、エヴァ破のラスト(サードインパクト)級の高揚感が襲ってくる。


濁して言うと、ほむらが覚醒するんだけど、このほむら覚醒がやばい。
ここまでは満点でした。

★2つ減らした理由はちょっとラスト15分ほどが蛇足だったかなと。
「世界」のレイヤーを重ねすぎていて、せっかく高揚した気持ちが「世界」切り替えることによって一旦リセットされちゃうんですね。さっきのレイヤーで最高に昂ってたんだぜ?世界戻してそっち見せろよ!ってなる。なんならほむら覚醒でぶつ切りでもよかった。そのあとのことは観客に丸投げでもよかった。監督は丁寧なんですよ。これは松本人志も見習うべきですけど劇中できゅうべえに説明させることで違和感なく物語を補完できるようちゃんと練っている。うまいなあと思うわけです。でも今回はちょっと丁寧すぎたんじゃないかなあと、もう少し観客の思考レベルを信頼してみてもよかったのではないかという思いが拭いきれなかった。
こんなことを突っ込んでる僕の思考のほうが蛇足っちゃ蛇足なんでしょうけどね。

それとこれは完全に僕が悪いんですけども、僕はつい「震災以後の世界」といいますか、あの悲劇が起こってしまって、それを僕らは巻き戻したくてもできるわけなくて、受け入れなきゃいけない。じゃあ震災の傷を僕らはどうやって乗りこえて、なにをもって救いとするのか、みたいな震災以後の絶望と希望を魔法少女たちの戦いをとおして感じたかったというのがあったんです。おまえが勝手に考えろですよ。魔法少女たちに、もっといえば「まどかはおれの神」と祈り、震災以後を託そうとした自分に失望したのであって、映画はわるくないんですけども、小さな失望を心に残してしまったんです。


ほんとうはあれこれ考えずたのしめる映画です。
とにかく魅せます!映像美に痺れます!
今いちばん劇場でみてほしい作品「魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語」
オススメします。


「R100」★3

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【ストーリー】
「大日本人」「さや侍」の松本人志が手がけた監督第4作。禁断の扉を開き、謎のクラブに入会してしまった主人公の摩訶不思議な体験を描く。都内有名家具店に勤務する片山貴文は、「ボンデージ」という謎めいたクラブに入会してしまい、それ以降、さまざまなタイプの美女が片山の日常生活の中に現れるように。過激なボンデージに身を包み、家庭や職場にも出現する美女たちは、片山をこれまでに味わったことのない世界へといざない、プレイは次第にエスカレートしていくが……。大森南朋が主演し、大地真央、寺島しのぶ、片桐はいり、冨永愛、佐藤江梨子らがボンデージファッションの美女に扮する。
【鑑賞前】
もうみんな松本映画に対しては「いい加減にせえよ」思ってて、はらわたの中にそれ収めときゃいいものを、今は誰でも発信できちゃうでしょ。やめときゃいいのに松本人志もtwitter始めちゃってるからもう、双方必死でしょ。僕34歳ですからね、松本人志は神として崇めてきたわけですよ。とんでもなく面白かったから。だからフォローしておきますけど松本人志は面白い。けれど我が子にええ格好見せたいのかな、映画をぶっ壊した男になりたいんだろうね。それがもう悲しくて悲しくて。これまでの三本全部泣いたよ。また泣くんだろうなとわかっているんだけどちょっと事情が違うんですよ今回。
大地真央、寺島しのぶ、冨永愛、佐藤江梨子が女王様に扮してってのがね、特にサトエリなんて眺めているだけでなぜだかわからないけれど死にたくなる時あるんですよね。なんでだろう。「キューティハニー」の時も「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」の時も観終わった後につい「あーあ、死のう」ってつぶやいて自分でじぶんにビックリしました。好きなんですね、サトエリ眺めているときだけが真実だ感が。簡潔に言うとサトエリ好きすぎるだけだね。
自分が映画監督になってサトエリ主演で映画作れるとなったら撮るの決まってるんですよ。焼き魚を食べてるとこ撮りたい。秋刀魚がいいかな。正座させて秋刀魚を箸でほじくって食べてるところをね、親指が重なり合っている足袋に寄ってね、これでもかってくらいゆっくりパンしていきたいね。何分くらいで足の指ピクンピクンするかじーっと観ていたい。飽きない。食べ終わったあとの秋刀魚の姿も超見たい。キレイに食べるんだろうか。いや、サトエリだからちょっとだけ頭の方の苦味残すわけでしょ間違いなく。それで寄って覗いてみると白身も少しだけ残っててね、苦味の黒いのちょっと除けば食べられるよーっつって。尻尾の先も白身がまだすこーしだけついてるんだけど食べ疲れて残しちゃうだろうね。かわいいなーサトエリ。
サトエリについてもっと書きたいのだけれど文字数いくらあっても足りないからそのうちkindle本出すことにするよ。サトエリへのラブレターね。出来れば読んでもらって「きもちわるい」って言われたいなあ。
【感想】
まずはじめに鑑賞前に言った「我が子にええ格好見せたいのかな」は撤回します。全然そんなことはなかった。むしろ1児のパパとは思えないほど攻めてましたよ。まだ6つか7つの子どもをブリーフ一丁にして亀甲縛りで天井から吊るされててさ、無常な時間だけがただただ過ぎてゆく、な図が登場するんですけどもこれがシュールで吹いた。お前らが結婚してからクソつまらなくなったとか言うからだぞ!みたいな。他にも松本不謹慎すぎな面が多々。

さて、今回も池袋サンシャインシネマのレイトショーで鑑賞したのですが、客のいりは予想よりも入っていた。2.3人だったらどうしようかと危惧してましたが、結果は20人ちょっと。男女比は意外。男3女7の割合でした。20代前半の2人組がメインでちょこちょこ単独男ってかんじ。SMとか女王様とかこの映画のアイコンはキャッチしてから入場しているはずで、こういう世界に興味津々なのかこいつらはと考えるとね、みんなスケベそうな顔にみえましたよおじさんは。この映画見終わって22時でしょ、その足で職場(キャバクラ)に向かうんだろうなって子ばかりでしたので色々とね、池袋っていいですね。

本編について語るべきなのかなあ。これは難しいというか映画というより長編コントなわけで、映画として語ることこそ穿った見方なのかもしれないぞと、けれどこんな事言い出すと松本信者くさいでしょ。こうなると困ったもんでどう扱ったらいいのかわからない。まあそれはつまりはだめって事にもなるんですけども(笑)

ちょっと横道それますが触れておかないと気が済まないのでね、なにがってサトエリの露出度。僕はこの映画を足を運んでまで観ようと思った一番の理由はサトエリ×ボンデージだったわけです。鑑賞前でもサトエリについてしか書いていないことからもわかるとおりですよ。そういう人が少なからず他にも数名いると思うんでこれはちゃんと伝えておかないといけない。これはサトエリファンとしての使命としてね。

サトエリの総出演時間はおよそ90秒

前の席を蹴らないでくださいってアナウンス無視して蹴ったよ。
これは残念すぎました。もうこの時点で口からエクトプラズム放出して意気消沈でした。
サトエリ目的の同志は是非とも気をつけていただきたい。サトエリを拝むという目的において、この映画は全く意味なしでありますぞ。
しかし誉めておかなければいけない面もございまして、僕は事前にサトエリ×秋刀魚こそ至高だと言っていましたがこれを遥かに凌ぐかけ算が成立しておりました。

サトエリ×寿司 言い換えれば サトエリ×生モノ

サトエリファンの同志はこれ聞いてハッとするでしょ。そう、合うんですよ。サトエリに寿司は。魚が合うのは想像の翼を広げてまもなく気がついたんですけども、僕の場合は焼いちゃってね、そこが甘かった。文明的なものは一切排除したほうが濃度があがるんですね。サトエリ×生魚とサトエリ×焼魚を比べるとサトエリとの間に一枚火が入りますから薄まるんですね。ここはもう一歩踏み込んで考えるべきでした。
サトエリ×寿司ですが、これは松本人志の【VISUALBUM】(今調べたら15年も前とかナイタ)内に収録されている「寿司」というコントがありますね。このコントと全く同じ事をしているわけですよ。出された寿司を次々とサトエリが手のひらで叩き潰していくんですね。松本ファンとしては懐かしすぎるネタに思わず笑ってしまいます。ただ場内はうら若き女の子ばかりというのもあってか静まり返っていました。シュールすぎ。

サトエリという横道はこれくらいにして、本題。


改めて言いますと僕はこの映画、全く評価出来ません。
それこそ★1か★2が妥当かとも考えたのですが、それでも★3つけました。
これは映画としての評価にとらわれずに松本映画に求めていたもの、すなわちこの作品が「おもろい」か「おもろない」かで評価するべきだと考えました。その評価でさえ★1だという声が多勢ですが、主演の大森南朋を脳内変換すると意外におもろく観れるんですよ。大森南朋さんに超失礼とも思われるかもしれませんが、僕には大森南朋さんが浜田雅功の代替えのように思えて仕方がなかったのですよ。大森南朋さん演技良かったですよ。悪い点がありません。松本が悪いだけ。

大森南朋=浜田雅功

このように置き換えるとね、おもしろいんですよ。
もしもR100を主演「浜田雅功」で撮っていたらね、今とは100度評価が変わるんじゃないかな。国内限定での話ですよ。映画としての評価はいま放棄しておりますので混合せぬよう。
それで気付いたんですね。松本はこの脚本書きながら頭のすみっこでは「これ浜田やったら絶対おもろいやろなあ」というのがずっとあったはずだと。そうしてみるとね、大森南朋に降り掛かる災難のどれもが浜田を想定しているように見えてきておもしろいんですよ。
例えば大森南朋が女王様から苦痛を受けるたびに“悦”にはいるシーンなんかだと、大森南朋の顔に魚眼レンズのようなエフェクトかけてパンパンに顔を膨らましてるんですね。目なんかも細長く引き延ばされて、なんともいえないきもちわるい顔になるんですよ。でもこれってパンスト被った浜田の顔そのまんまなんですよね。浜田に罰ゲームでよくやらせてた事でね、パンスト被った浜田の不ッ細工っぷりが松本だいすきでしょ。思いっきり弄られてて、でも弄られるってなんか気持ちいい〜“悦”みたいなとこ浜田からプンプン匂うじゃないですか。松本はこういうの好きだったよなあと、案外松本はなんにも変わってないんだなあと妙な安心感まで感じてしまうんですね。あとはパンツ一丁で正座させられて縛られて、女王様にツバ吐かれる拷問とかね。これもツバ飛んでくるたびに“ビクビクっ”と反応してしまう絵ヅラもね、もう浜田でしょ。アイマスクつけてビクンビクン怯える浜田とそれを笑ってみる松本を何度見てきたことか。その他のシーンもそうして見てみると全部浜田を想定しているように、というよりは松本が弄りたいのは浜田なんであって、本来生まれるはずの作品は「100分かけて女王様が浜田にSM調教 ドSの浜田はドMに生まれ変われるのか(しかも映画にしちゃお、かっこわらい)」であったと。それがお互いソロでの活動が主軸となり、アイデアを出し合って笑う時間も減り、こんな風な空回り感が加速して松本はオワコンと囁かれるようになった。
それこそこのクソ映画に「浜田雅功」を誘い、自分が笑えればいいスタンスをちゃんと貫けばダウンタウン完全復活の声もあがっていただろうと考えると、どうしても悔しさが残ってしまう映画ではありましたね。

鑑賞するのであればTSUTAYAにて「R100R(レンタル)100円キャンペーン」とか100%あるはずだから、それからでも遅くはないですよ。100円の価値はかろうじてありますから。

「そして父になる」★9

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【ストーリー】
申し分のない学歴や仕事、良き家庭を、自分の力で勝ち取ってきた良多(福山雅治)。順風満帆な人生を歩んできたが、ある日、6年間大切に育ててきた息子が病院内で他人の子どもと取り違えられていたことが判明する。血縁か、これまで過ごしてきた時間かという葛藤の中で、それぞれの家族が苦悩し……。
【鑑賞前】
是枝裕和監督も父となりましたからね。カンヌでは10分以上も拍手が鳴り止まなかったとか。ラジオで監督が話してましたがこの映画は福山雅治のために作られたようですね。福山から打診された是枝監督は彼のために3本のシナリオを書いて渡したそうです。これは選ばないだろうなあと割と適当に書いたこのシナリオを福山は選んだんだって。そんなこと言われちゃうとね、そんな映画ならたいしたことないとも思っちゃうもんだけども、是枝監督は子どもテーマにすると上手いもんね。世のパパたちは観ておいた方が良さそうだぞ。
【感想】
池袋サンシャインシティで鑑賞。感想の前に映画館での反応を書いておきます。レイトショーで観たのですが観客は40人弱ってとこで、男女比はきれいに半々。カップル、単身の男性、女性2人組がほとんど。僕は前方に座っていてエンドロールの後明るくなってから席を立ち、帰ろうと後ろを振り向くと全員女性が号泣していたんですよね。人目もはばからず顔をくしゃくしゃにして涙を流しておりました。ほんとに女性全員ですよ。これはちょっとスゴいぞと。ちょっとした事件だぞと感じましたね。結婚もしていて、子を育てた(育てている)経験をお持ちの方ならね、まあ分かるんですけど明らかにまだおつきあい始めたばかりでレイトショーのあとにまずは子作りからって感じの女性でさえボロボロ涙こぼしててね、女性視点でこの映画を観た完成度というのはその涙が全てを物語っていましたね。

一方男性の反応はというと窮地に追い込まれたかのように思い詰めた表情でね、放心状態なわけですよ。カップルの若い男性はオロオロしてたけれど、単身男性はこれもまたスゴい光景でありました。これから詳しく書いていきますがわたしもまた心にグッサグサ棘が刺さりまして、その棘の抜けぬまま帰宅することになってしまったのです。

良太(福山雅治)の家族構成は妻と1人の男の子。小学生入学を控えた6歳。都内にマンションを購入していて自家用車は新車のレクサス。部屋のインテリアが若干見劣りするのと洋服に高級感を感じないところから察すると推定年収800万円で背伸びをした暮らしをしたがるタイプ。でも順風満帆な人生を送っているいい男なわけです。イケメンですし、女性からすれば理想そのものって感じですよ。もちろんピアノも弾けちゃいますよね、当然ですよ。そして子どももピアノのお稽古。映画はそんな良太の子どもが私立小学校のお受験をするところから始まります。先生方の質問にもハキハキと答える優等生っぷりで、育ちの良さが見て取れるんです。良太が意識高い系の学歴主義なのが暮らしに現れています。
一方斎木(リリーフランキー)の家族構成は妻と3人の子ども。場所の設定はさいたまの奥地でしょうかね。親から継いだであろう電気屋のおっさんでして、珍しく客が入ったかと思えばダラダラ世間話して40Wの電球一個をやっと売るみたいな状況でね、外観ももうペンキ剥げかかってるし建て付け悪そうな家にぎゅうぎゅう詰めに暮らしてるんですよ。自家用兼社用車はいつガタがきてもよさそうな軽トラ。察すると推定年収子ども手当込みの200万円。容姿は岡本太郎にお題「残尿感」と出して作られた粘土細工みたいなもんで「あれ?リリーフランキーのそっくりさんかな」と思わせるみすぼらしい容姿。ポスターとは違ってみえます。

そんな2つの家族の子どもが実は病院のミスで取り違えてたと発覚します。血を取るか、過ごした時間を取るかの選択を迫られるわけです。流れとしては珍しいものでもないですし、この後の(良太の)父親としての葛藤も状況説明で概ね想像ついたかと思います。その想像は概ね当たっています。斎木の家は案の定といいますか放任主義で育てているので言葉遣いやマナーも微妙な、いわゆるクソガキなんですね。妻も煙草ぶかぶか吸うわ子どもの頭をぽかんぽかん叩くわで昭和の肝っ玉「かあちゃん」ばりに、色気も子どもと一緒に出産したわ、ガハハみたいなタイプで。良太からしたら関わりたくない人達なんですよ。そうなりたくないからこれまでずっと頑張ってきたわけでしょ。それなのに自分の(血縁では)本当の子が一番避けたかったクソガキ化してるってのはこれはきついものあるでしょう。

この事実を知らされた良太がね、車の中で悔しそうに一言洩らすんですね。
「やっぱりか…」
男性の方々はね、この一言の重さをもっと知るべきなんですけれども、つい洩らしがちですよね。僕も身に覚えがあってグサッと鈍い痛みが走りました。意識高い系は特にありがちで将来を見据えていろいろ思考を働かせてゆくなかで、その思考の中に“選択はしなかったけれども選択肢としてはあった考え”というのがいくつもあるわけです。不測の事態に立たされると、選択しなかったにも関わらずつい思考の中に一度はあったものだから「やっぱりか…」と口から出てしまうんですよね。

「だからあの病院はやめとけと言ったじゃないか」

と、良太はついに言ってしまうんですね。頭の回転がいいがゆえに陥りやすいわけです。

しまいには
「なんで自分の子なのに気付かなかったんだ」
と問いつめるわけです。

「なんで自分の子なのに気付かなかったんだ」はさすがに特大すぎるブーメランですし、それはないだろうと気付けるレベルですけれども、重要なのはやはり最初の「やっぱりか…」というはじめの思考レベルです。「なんで〜」は血の昇った状態でのただの罵倒で、女性としても「おまえが言うな」と冷静なツッコミを内々に済ませて消化する余地を残してありますが(でも言っちゃだめ、ぜったい)精神的ダメージはそれよりもむしろ「やっぱりか…」という冷静な思考状態から使われやすい言葉の方が大きく、女性には根深く残ってしまうものです。

序盤で「やっぱりか…」という言葉を洩らした良太に観客は違和感を覚え、それから少しづつ良太の未熟な面が見え始めます。当初の結婚したい人の理想像と見た夢から冷めてゆっくりと良太の違和感を進んで探すようになるんですね。是枝監督の技が光ります。

すごく印象的だったシーンがあります。互いの家族が話し合っていく中で、お互いの息子をまずは1日交換してお泊まりして様子をみましょうってなるんです。その初日なんですけどね、良太の家では豪華なすき焼きが用意されるわけですよ。おまえはこんなええ肉食ったことないだろうと言わんばかりに主張するええ肉です。その食卓でですね、良太はなにを考えたのか箸の持ち方を指導するんですね。良太の性格をたったそれだけで表しているわけですよ。はじめてのお泊まりですよ?こんな特別な夜にそこ気になるん?別にええやん。もっともっと見ていたい表情しぐさいっぱいあるやん。でも血縁上では本当の息子なわけで、教育のいたらなさ具合が許せなかったんでしょうね。こういったちっちゃいプライドというのが僕の中にも少なからず潜んでいるわけでして、このシーン1つで棘がグサグサ刺さりました。
一方斎木の家ですよ。狭い風呂に家族揃って膝折り曲げて入ってね、良太の息子も初体験なわけですよ、お肌とお肌が密着した環境というのは。すました顔で入っているんですけれど突如斎木のおっさんがね、じぶんの胸を指差してここを押せ、と。押すと湯船のきったないお湯が斎木のおっさんの口からびゅぅ〜っと顔めがけて飛んでくるんです。もうびっくりしてリアクション取れないでいると斎木のおっさんはもう一度強いるわけです。押せ、と。いいからここを押せ、と。言われるまま押すとやっぱり斎木のおっさんの口から湯が出るんですよ。これをね、笑うまでやる。この対比がね、僕はどちらかというと、いやかなり良太タイプに我が子と向き合ってきたわけでして、鈍痛ですよ鈍痛。
ほんとは斎木のおっさんタイプに生きてきたくせにね、それを棚に上げて良太タイプに接してしまっていたことに気がついたんです。ここでようやくですよ。

父親ってなんだ?

素朴でいて実に難解な問いを観客は自分自身に問い始めるんです。
ここから先はですね、各々が問いかけ、映画を通じて各々が探すんです。ひとつひとつは取り立てることもないような細かい日常の1コマが積み重なり、観客はそこに父親ってなんだ?を探すことになります。映画のなかで良太も一生懸命探します。自分の父に、母に柄でもなく電話なんかしたり。どこかに父親の“正しい”姿を求めてゆくんですね。斎木のおっさんはね、探しもしないですよ。答えを買う金もなければ考える暇すらないんですよ。その対比に微かなヒントが見えてくるのです。

「そして父になる」

子どもが出来た時点で父になると思っていませんでしょうか?
僕は思っていましたね、恥ずかしながら。けれどもそれは違うんですね。
母親は強いもので、子どもを宿して母親となるものです。
女に生まれた時からすでに母親としての素質を持ち準備を整えていくんですよ。
けれども僕ら男ってのは違うんですよ。

父になるために誰しもが通る心の葛藤を、とても丁寧に描いている映画です。
来年小学生になる一人息子をもつ父親である僕は、このタイミングでこの映画を見れたことはとてもラッキーでした。今年一番考えさせられた映画でしたし、他の方にとってもそうなるであろう素晴らしい映画ですので、是非劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか。

「地獄でなぜ悪い」★8

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【ストーリー】
とある事情から、激しく対立する武藤(國村隼)と池上(堤真一)。そんな中、武藤は娘であるミツコ(二階堂ふみ)の映画デビューを実現させるべく、自らプロデューサーとなってミツコ主演作の製作に乗り出すことに。あるきっかけで映画監督に間違えられた公次(星野源)のもとで撮影が始まるが、困り果てた彼は映画マニアの平田(長谷川博己)に演出の代理を頼み込む。そこへライバルである武藤の娘だと知りつつもミツコのことが気になっている池上が絡んできたことで、思いも寄らぬ事件が起きてしまう。
【鑑賞前口上】
園子温ですよ園子温。今もっとも期待できる日本の映画監督と言えばですよ。
でも前作「希望の国」の出来はねぇ、決して悪い作品ではなかったんですけどね、なんだかみんな期待裏切られた感ありましたよね。あんただったら被爆した福島住人が全員血吐いてのたうち回ってね、そんでゾンビになって浜通り歩き回っちゃうっていう不謹慎にも程がある構図を撮っちゃうんだろうって期待しちゃいましたよね。散々こっちにゃ神楽坂恵のエロ画くれるもんだからその気になっちゃってたのにさ、お前が結婚するんかい!ってね。そんでまともな映画でしょ。今回の新作なんて神楽坂恵を引っ込めちゃってるじゃねえかってね。これはもう意地でも鑑賞しに行って出来が悪かったらその場にうんこして帰ってこようかなって思ってるところですよ。

【感想】
映画バカの映画バカによる映画バカのための映画でしたね。映画に必要なのは1に映画愛で2に映画愛、3から10まで映画愛という意味を一言で表すことを何と言う?という問いに「地獄でなぜ悪い」と回答したわけです。ストーリーは映画開始0秒からテンポ良すぎて涙がぽろり。まるで「愛のむきだし」をぎゅぎゅっと凝縮したような濃度でね、あの頃ぼくたちを虜にした満島ひかりと2013年現在の二階堂ふみが重なるんです。日本映画の歴史に残る二階堂ふみのキスシーンは絶対に観ていただきたい。ちんぽが縮むほど痛々しいのに、その瞬間が永遠になればいいと願わずにはいられない、柔らかく鋭いそのキスを。二階堂ふみはヤバい。僕はヤバいという表現は好きじゃないんですよ。その感動を言語化出来ない人しか使わない言葉だから。しかしね、二階堂ふみはヤバい。鑑賞前はね、神楽坂恵を引っ込めてしまった園子温を僕は恨んだんですよ。ふざけんじゃねーぞと。結婚して女房なったら急に私物化かいと。神楽坂恵はソーシャルじゃないんかと。女房にしちまったもんを取り消せとは言わんよ、そこまでは求めない。しかし店じまいとは子温も所詮人の子かと。ほんとうに申し訳ございませんでした。ここに深くお詫びします。二階堂ふみという素晴らしい素材を完璧に仕上げてみせてくれるなんて想像出来ませんでした。いやたしかに「ヒミズ」も良かった。けれどここまで見せてくれますか。子温さま。
追伸、今回友情出演という形ではありましたが神楽坂恵を露出していただいてありがとうございました。願わくば、女房となった神楽坂恵ではありますが、引き続きおっぱいを拝ませていただけますと幸いです。

しかしヤバいのはなにも二階堂ふみに限った話でなく、國村隼も堤真一も長谷川博己も星野源も友近も配置されたキャストみなさんがファンタジスタ。役者たちが映画のなかで映画を楽しんでいて感動的です。でんでんや岩井志麻子や水道橋博士が友情出演という形で名を連ねているというのもまた園子温監督らしくもありニヤリとさせていただきました。

映画一番の盛り上がりを見せるクライマックス。血飛沫に混じって腕が足が首が飛び交うヤクザ抗争の映像には近年の北野武「アウトレイジ」から果ては懐かしの「ブレインデッド」に至るまで映画バカたちの足跡をたっぷりと堪能できましたね。左手にマシンガン、右手に35mmフィルム、Take2なき一発撮り。スタートの合図が鳴り響けば、映画狂人たちのターン。いや、ゆりかごから墓場まで、ずっと映画狂人僕らのターン。打ちまくり回し続ける不屈の魂。一体これはなんだ。夢を見てるのか。そうだ夢だ。夢だけ見ててなにが悪い。例えそれが地獄だろうと。地獄でなぜ悪いのだ。若者たちよ武器をとれ!愛を叫べ!フィルムを回せ!

最高のコメディ映画が誕生しましたね。映画万歳!
文句なしの超オススメ映画です。週末だ!映画館へ急げー!

2013.10月公開映画ピックアップ7

毎月第1週はじめにその月公開される数々の映画の中から特に注目したい映画作品7つをピックアップ。取り上げた7つの中から毎週その時分の気分で選択。映画館へ足を運んで感想をアップします。何本観れるかは時間とお金次第。さあ今月のピックアップ作品は

1,「地獄でなぜ悪い」
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【ストーリー】
とある事情から、激しく対立する武藤(國村隼)と池上(堤真一)。そんな中、武藤は娘であるミツコ(二階堂ふみ)の映画デビューを実現させるべく、自らプロデューサーとなってミツコ主演作の製作に乗り出すことに。あるきっかけで映画監督に間違えられた公次(星野源)のもとで撮影が始まるが、困り果てた彼は映画マニアの平田(長谷川博己)に演出の代理を頼み込む。そこへライバルである武藤の娘だと知りつつもミツコのことが気になっている池上が絡んできたことで、思いも寄らぬ事件が起きてしまう。
【ピックアップ】
園子温ですよ園子温。今もっとも期待できる日本の映画監督と言えばですよ。
でも前作「希望の国」の出来はねぇ、決して悪い作品ではなかったんですけどね、なんだかみんな期待裏切られた感ありましたよね。あんただったら被爆した福島住人が全員血吐いてのたうち回ってね、そんでゾンビになって浜通り歩き回っちゃうっていう不謹慎にも程がある構図を撮っちゃうんだろうって期待しちゃいましたよね。散々こっちにゃ神楽坂恵のエロ画くれるもんだからその気になっちゃってたのにさ、お前が結婚するんかい!ってね。そんでまともな映画でしょ。今回の新作なんて神楽坂恵を引っ込めちゃってるじゃねえかってね。これはもう意地でも鑑賞しに行って出来が悪かったらその場にうんこして帰ってこようかなって思ってるところですよ。


2,「そして父になる」
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【ストーリー】
申し分のない学歴や仕事、良き家庭を、自分の力で勝ち取ってきた良多(福山雅治)。順風満帆な人生を歩んできたが、ある日、6年間大切に育ててきた息子が病院内で他人の子どもと取り違えられていたことが判明する。血縁か、これまで過ごしてきた時間かという葛藤の中で、それぞれの家族が苦悩し……。
【ピックアップ】
是枝裕和監督も父となりましたからね。カンヌでは10分以上も拍手が鳴り止まなかったとか。ラジオで監督が話してましたがこの映画は福山雅治のために作られたようですね。福山から打診された是枝監督は彼のために3本のシナリオを書いて渡したそうです。これは選ばないだろうなあと割と適当に書いたこのシナリオを福山は選んだんだって。そんなこと言われちゃうとね、そんな映画ならたいしたことないとも思っちゃうもんだけども、是枝監督は子どもテーマにすると上手いもんね。世のパパたちは観ておいた方が良さそうだぞ。


3,「R100」
150x100

【ストーリー】
「大日本人」「さや侍」の松本人志が手がけた監督第4作。禁断の扉を開き、謎のクラブに入会してしまった主人公の摩訶不思議な体験を描く。都内有名家具店に勤務する片山貴文は、「ボンデージ」という謎めいたクラブに入会してしまい、それ以降、さまざまなタイプの美女が片山の日常生活の中に現れるように。過激なボンデージに身を包み、家庭や職場にも出現する美女たちは、片山をこれまでに味わったことのない世界へといざない、プレイは次第にエスカレートしていくが……。大森南朋が主演し、大地真央、寺島しのぶ、片桐はいり、冨永愛、佐藤江梨子らがボンデージファッションの美女に扮する。
【ピックアップ】
もうみんな松本映画に対しては「いい加減にせえよ」思ってて、はらわたの中にそれ収めときゃいいものを、今は誰でも発信できちゃうでしょ。やめときゃいいのに松本人志もtwitter始めちゃってるからもう、双方必死でしょ。僕34歳ですからね、松本人志は神として崇めてきたわけですよ。とんでもなく面白かったから。だからフォローしておきますけど松本人志は面白い。けれど我が子にええ格好見せたいのかな、映画をぶっ壊した男になりたいんだろうね。それがもう悲しくて悲しくて。これまでの三本全部泣いたよ。また泣くんだろうなとわかっているんだけどちょっと事情が違うんですよ今回。
大地真央、寺島しのぶ、冨永愛、佐藤江梨子が女王様に扮してってのがね、特にサトエリなんて眺めているだけでなぜだかわからないけれど死にたくなる時あるんですよね。なんでだろう。「キューティハニー」の時も「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」の時も観終わった後につい「あーあ、死のう」ってつぶやいて自分でじぶんにビックリしました。好きなんですね、サトエリ眺めているときだけが真実だ感が。簡潔に言うとサトエリ好きすぎるだけだね。
自分が映画監督になってサトエリ主演で映画作れるとなったら撮るの決まってるんですよ。焼き魚を食べてるとこ撮りたい。秋刀魚がいいかな。正座させて秋刀魚を箸でほじくって食べてるところをね、親指が重なり合っている足袋に寄ってね、これでもかってくらいゆっくりパンしていきたいね。何分くらいで足の指ピクンピクンするかじーっと観ていたい。飽きない。食べ終わったあとの秋刀魚の姿も超見たい。キレイに食べるんだろうか。いや、サトエリだからちょっとだけ頭の方の苦味残すわけでしょ間違いなく。それで寄って覗いてみると白身も少しだけ残っててね、苦味の黒いのちょっと除けば食べられるよーっつって。尻尾の先も白身がまだすこーしだけついてるんだけど食べ疲れて残しちゃうだろうね。かわいいなーサトエリ。
サトエリについてもっと書きたいのだけれど文字数いくらあっても足りないからそのうちkindle本出すことにするよ。サトエリへのラブレターね。出来れば読んでもらって「きもちわるい」って言われたいなあ。


4,「危険なプロット」
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【ストーリー】
かつて作家を志していた高校の国語教師ジェルマンは、現代アートの画廊に務める妻のジャンヌと2人暮らし。常日頃まともな文章ひとつかけない生徒たちにうんざしていた。ところが、新学期を迎えたある日、添削していた宿題の中に心惹かれる作文を見つける。そこには週末に訪れた友人宅の様子が描写されていた。作文を書いた生徒クロードに興味を掻き立てられたジェルマンは、求められるままに作文指導を引き受ける。
【ピックアップ】
フランソワ・オゾン監督の新作がいよいよ公開。「8人の女たち」「スイミング・プール 」「ふたりの5つの分かれ路 」と立て続けに発表した黄金期はほんとうにこの監督にハマりました。
予告編を是非ご覧ください。多くは語りませんが、今回、きてます。


5,「キッズ・リターン 再会の時」
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【ストーリー】
高校卒業後、プロボクサーとヤクザという全く別々の人生を選択し、その道の頂点を目指したシンジとマサルだったが、大きな壁にぶつかり挫折。ボクシングへの情熱を失ったシンジは、アルバイトをただこなすだけの日々を送り、刑務所から出所したマサルも、ヤクザ生活に戻るしかなかった。しかし、そんな2人が偶然の再会を果たしたことから、再びそれぞれの人生をかけた勝負に出ることを決意する。
【ピックアップ】
北野武監督が1996年に発表した「キッズ・リターン」の10年後を舞台に、主人公マサルとシンジのその後を描いた物語。多数の北野監督作で助監督を務めた清水浩の実績を調べてみましたが過去作品は観たことがありません。2010年「呪いの心霊感染 わたしはとり憑かれた〜19歳女子大生 聡子の場合〜」が最後ですね。彼の作品も知らないくせに「キッズ・リターン」レイプする気かと声を荒げるつもりはございません。まずは心を無にして観に行くべし。


6,「マイク・ミルズのうつの話」
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【ストーリー】
「サムサッカー」「人生はビギナーズ」のマイク・ミルズ監督がうつ患者の日常を映しだし、その姿を通して現代社会が抱える問題を描き出すドキュメンタリー。日本では15人に1人がかかっていると言われ、特に2000年代に入ってから社会的にも大きく広まっていったうつ病。製薬会社によって行われた「心の風邪をひいていませんか?」という広告キャンペーンがうつ病の存在を広く知らしめたと考えたマイク・ミルズ監督は、それを検証すべく、急速にうつが常識化した日本を舞台にカメラをまわしはじめる。日本人うつ患者の日常を優しく明るい視線でとらえ、うつという現代病に対する対処法や社会の問題点を考察する。
【ピックアップ】
とても身近な病気のくせに、どこまで理解しているのだろうか。僕の友人がね、この病気をこじらせて亡くなったんですよ。だからかな、観ておかなければいけない気がするのは。日本では風邪のようにそこら中でかかっているよ。問題はどこにあるんだろうね。ヒントを探しにね。閉塞感から抜け出すヒントというか、生きやすい社会にするにはどうしたらいいんだろうかって、映画をみながら少し考えてみない?


7,「劇場版 魔法少女まどかマギカ 新編 叛逆の物語」
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【ストーリー】
まどかへの想いを果たせぬままに取り残された魔法少女・暁美ほむらは、彼女の残した世界でひとり戦い続ける。懐かしいあの笑顔と再びめぐり合うことを夢見て-
【ピックアップ】
今月一番期待しているのが魔法少女まどか☆マギカの完全新作。本当に今月観られるんだね。まどかに会えるんだね。新しい魔法少女「百江なぎさ」も気になる気になる。正直に言うとね、完成度がどうだとか全くもってどうでもいい。まどかに会えるだけでいい。いやマミ先輩も…。あーあ、僕もはやく概念になりてーなー。


今月は国産が多くピックアップされました。
う〜ん、改めて並べてみるとどれもこれも観たいぞ。

どの作品が選ばれるのか更新をお待ちください。