【あらすじ】
詐欺師アーヴィン(クリスチャン・ベイル)と、その相棒で愛人のシドニー(エイミー・アダムス)。彼らはFBI捜査官リッチー(ブラッドリー・クーパー)に逮捕されるが、無罪放免を条件におとり捜査への協力を持ち掛けられる。それは、架空のアラブ人富豪をダシに、カジノ利権に群がる政治家やマフィアを一網打尽にするというもの。アーヴィンとシドニーは、標的のカーマイン市長(ジェレミー・レナー)に近づくが、二人の仲を嫉妬(しっと)するアーヴィンの妻ロザリン(ジェニファー・ローレンス)がおとり捜査の邪魔をする。
【感想】
この映画は実際にアメリカを揺るがした政治家などの収賄スキャンダル、アブスキャム事件を基にしているそうです。事前に予備知識が必要な映画といったものではなかったし、実際、僕自身が予備知識ゼロで鑑賞したんだけれども大いに楽しめました。なるほど、こりゃアカデミー賞がっつり取るだろうと納得の映画です。
個人的には、誰もが認める演技力をもったディカプリオが「ウルフ・オブ・ウォールストリート」で、あれだけの怪演を見せつけたのだから、何がなんでも今回はディカプリオに与えるべきだと。まだ一度も取ってないなんてハリウッドの大罪だと。そう思ってるのですが、アメリカン・ハッスルを鑑賞後はこころに暗雲が広がりました。こりゃまずいぞレオ様。クリスチャン・ベイルと争うことになるとは、映画の神様もイジワルだ。
クリスチャン・ベイルの体を張った役作りはスゴい。
これが通常時のクリスチャン・ベイル
2011年、麻薬中毒の役に挑んだクリスチャン・ベイル
そして今回。
これ、自前の脂肪なんですよ。
通常時からマイナス13kg減量してジャンキー。通常時に戻してリセット。今度はプラス20kg脂肪をつけてハッスル。こいつとレオ様は闘うわけだ。
残酷よ、残酷。
そしてエイミー・アダムスとジェニファー・ローレンスもグラマラスな衣装に身を包み、最高にセクシーな演技で劇を盛り上げる。ふたりの女優はもうね、他のノミネート作品は見れていないにも関わらず、こりゃ取るだろうな、と確信してしまう素晴らしさがありました。
70年代の空気感といい、ハリウッド的ゴージャス感といい、映画俳優たちの煌びやかなオーラといい、アメリカ映画を堪能した満足感で胸がいっぱいです。
一点だけ残念なことがありまして。鑑賞した回では外国人客が割合的に多かったんですね。2割、3割に届いたかもしれないくらい。で、外国人が大笑いする箇所がところどころに用意されていて、それが分からなかったんです。字幕ではわからないアメリカンジョークがいっぱい詰まってるんでしょうね。おもしろかったんですが、もっとネイティブな部分では理解出来ていないんだろうなって考えると、残念というか悔しいというか。
でもまあ、めっちゃおもしろかったよ!
最後に「アメリカン・ハッスル」が取るアカデミー賞の予想
▽主演女優賞 エイミー・アダムス
▽助演女優賞 ジェニファー・ローレンス
▽衣装デザイン賞
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▽美術賞 ※「華麗なるギャツビー」or「アメリカン・ハッスル」
主演男優賞——あえて外しました。だって、だって、だって、レオが取るもん。